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去る2月2日、恒例の「新春のつどい」が、理窓会館2階の会議室で開催され、参加者は約40名でした。
第1部は、株式会社白川プロ代表取締役社長、佐藤公臣氏(元NHK国際局長)の講演でした。冒頭約10分間、草原の国モンゴルの概要と特徴がコンパクトに編集されたビデオが映されました。 モンゴル国は中国の北、ロシアの南に位置し砂漠と森林地帯の間にある平均標高1,500mの高原にあり、 国土広さは156万Kuで、世界17位です。人口約250万人で、国民1人当たり土地の広さは第1位です。 ビデオではこれらの紹介のほかに、高層ビルが立ち並ぶ首都ウランバートルが映し出される一方で、 旧正月を親族全員で祝うツァガーンサルの伝統儀式や夏祭りナーダムの競馬、弓、相撲競技が、 独特の民族音楽をバックに紹介されました。 ご講演は日本と違う点、共通する点、日本との歴史的関係、現在のモンゴル国の課題などエピソード交えてのお話でした。 そして、モンゴルに滞在して、文明の進んだ日本の生活は本当に幸せかと思ったと結ばれました。 質問も「宗教は」、「中国の内モンゴル自治区との国境は」など活発で、第2部の懇親交流会でも、 次々と参加者が講師と話し合っていました。 講演は、ビデオの補足解説に始まりました。音楽は、馬頭琴と「ホーミー」と呼ばれる喉歌によるとのことでした。 「ホーミー」は独特の高音と低音が印象的で、解説があって始めて楽器でないことが分かりました。 モンゴル相撲について、勝負は日本の相撲と違い、肩にまとった布が地に着いたら負けということでした。 現在、朝青龍や白鵬とモンゴル出身の力士が沢山いますが、型のデパートと言われた元小結の旭鷲山 (きょくしゅうざん)が最初で、 現在は帰国して国会議員になる運動をしているとのことです。 以下、ご講演概要を紹介いたします。 日本からの交通は、現在直行便が週1便とソウル経由が2便あり、ジンギスカン空港に入っている。 現在は−25〜−40℃の厳冬期である。 政治体制は、1992年に、モンゴル人民共和国からモンゴル国となり、1党独裁から政党は10ある。 国会は1院制で76名の議員で構成される。大統領制で、現在は人民革命党のナンバリーン・エンフバヤル氏が就任している。 旧ソ連の影響が強い。反中国意識は高い。日本には友好的。政情は安定している。 1994年NHKの支援により相撲放送などテレビが見えるようになった。NHKのテレビ番組は相撲と幼児番組に人気がある。 相撲は国民アイデンティティ形成に寄与している。 以前に、モンゴル国際放送開局25周年記念でウランバートルに行った時のことである。 「北国の春」コンクール大会で歌をリクエストされ「佐渡おけさ」を披露した。 出だしのかかり歌が「ホーミー」の影響と思った選曲である。夕食後、大草原の遥か向こうの山々が、 夕日が沈む前に黄金色に浮かびあがった。この光景の美しさを超えるものはない。 モンゴル生活は、遊牧から都市生活が増加している。遊牧生活はゲル(フエルトで作った移動式住居:中国語ではパオ〔包〕)で、 草と水のある所に移動していく。家畜は人口の10倍で2500万頭に及ぶ、その70%が羊とヤギである。 歴史的には、チンギス・ハーンが1206年多岐の部族を統一して帝国を建設した。現在のハンガリーまで遠征をした。 これがゲルマン民族大移動をもたらした。 1911年辛亥革命の後、外モンゴルはソ連の影響下で独立し1924年にモンゴル人民共和国となる。 内モンゴルに居住していた諸部族は日本の満州政策の影響もあって、現在中国の自治区となる。 現在でも部族は多岐で、モンゴル国はハルハ族が90%である。民族としては、中国モンゴル自治区に700万人もいるので1000万人に及ぶ。 人種はモンゴロイドで蒙古斑や下戸(酒に弱い)の特徴がある。日本人もそうだ。 フィンランド人にも遠征で混血したので蒙古斑が出る。 日本との関係では、1274年文永の役、1281年弘安の役である。 この2回の蒙古来襲にも拘らず神風により侵略されなかったと神国意識が生まれ、北畠親房「神皇正統記」、 本居宣長らによって「敗れない神の国」とされ、不幸な結末を迎えた。 現在のモンゴルの課題は、@温暖化の影響でゴビ砂漠が拡大して、草地が減少していること、 A産業は畜産が主で、タングステン、銅などの工業生産を拡大したいが資本がないこと、 B「ソ連の16番目の共和国」とも言われるぐらいロシアの影響下、1党独裁が長期間続いた後の多党制で、 市場経済を運営する困難性、C遊牧から都市生活者が急増し、ストリートチルドレンでなく 「マンホールチルドレン」問題があることである。 宗教はチベット仏教であるが、ソ連の影響下では宗教は弾圧されていた。現在は、宗教は自由である。 (文責:石井潔)
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