ライフサポーターの集い
大往生専門委員会
「予知できない大往生  誰に看取ってもらえるのか」
伊 藤  洋   
これから高齢者が増えていくなか、葬送の儀はどのように行われていくのか、 大いに気になるところである。
発表会のうちから二つの問題を提起してみたい。
1. 家督制度の廃止による影響か、子どもたちは就職などにより、家を巣立っていく。 その結果、親と子どもとの同居率が低下してきて、高齢者のみの生活が始まることになる。
そこで、ごく平均的な高齢者の暮らしぶりはどうか、というと夫婦が揃っているうちは夫婦二人で暮らし、 どちらかに先立たれたら、子ども世帯と中途同居を始める、というものだ。元気なうちはなんとかやっていけたとしても、 一旦介護となると、介護の何たるものかが全然わかっていない子どもは、せいぜい1ヵ月足らずで根をあげることになり、 介護の負担に耐えかねた、子どもから、どこかの施設に入居を迫られることになる。 この場合、親子どちらも善意で行われたことは云うまでもないが、結果としてそのような結末になってしまう。
2. 最近病院などで亡くなった方の遺体が、自分の家であるはずの自宅に戻れず葬儀会館や火葬場の保冷庫に直接送られ、 直葬(都内では約30%)や、「家族葬」を行うケースが多くなってきたということだ。 「家族が死んだからといって葬式する必要はない」といった、死体処理だけを目的とし、「家族葬」に便乗したかたちで、 一部行われているとか。本来「死者との別れを惜しみ、温かく送り出すべき処、 単に「安く」「手間をかけずに簡単に」として葬儀を済まそうとするのである。 葬式は、金高ではなく、肝心なのは死者に対する愛情と尊敬の念をもって行うべきものである。
これからの「死生観」をいかに持つべきか、お互いが真剣に考えるべき時と思う。
(C)NPO法人東京都中高年福祉推進員協会

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