ライフサポーターの集い

文京いきいきアカデミア(文京区高齢者大学)を卒業して

稲葉 浅治    
現在 日本においては65歳以上の人の総人口に占める割合は約21%、2050年には約40%になると予想され、 高齢化が急速に進んでいます。また、団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が2007年より60歳を迎え、 数年後には大量の定年退職者が出てきます。"人生80年時代"と言われる昨今、定年後の寿命は約20年になります。 この約20年を生きがいに満ちた充実したものにするには、どうすればよいのでしょうか。 私自身の体験から"生きがいづくり、仲間づくり"について実践例を挙げながらお話しします。  稲葉浅治氏
はじめに
 平成21年2月26日(木)朝日新聞都内版朝刊に「知との出会い、一生涯 文京、アカデミアで初の卒業式」という記事が、 小生の写真とともに、五段抜きで掲載されました。(写真をご覧ください)私もその卒業生の一人として、 41名の卒業生とともに卒業証書を授与され、しかも皆勤賞までいただきました。 このいきいきアカデミアは、区から委託を受けた、財団法人文京アカデミーが主催する、 満60歳以上の文京区民を対象とした2年制の高齢者大学です。
1.教養課程(第1学年)
 1学年目は教養課程で、大学生全員が同じ授業を受けました。 1学期は「文京区をもっと知ろう」というテーマで、文京区の基本構想、財政状況、高齢者福祉、清掃リサイクル、 アカデミー構想、ボランティア福祉活動、消費者行政、防災等の現状と課題について勉強いたしました。 2学期「文の京をもっと知ろう」というテーマで、文の京としての、文京区の歴史、地理、文化財、史跡、祭りと行事、 文人、建物等について勉強し、史跡巡りを行いました。 3学期は「高齢期を活き活き生きよう」というテーマで高齢期を活き活き生きる心構え、 健康管理、ウオーキング、相続、贈与、遺言、歌舞伎の楽しみ方、講談入門、文学の味わい方、 東京の水道水について勉強いたしました。
2.専門課程(第2学年)
 1学年目の教養課程で出席率70%以上の学生が2学年目の専門課程に進級いたしました。 専門課程は、教養課程のように同じカリキュラムを全学生で履修するのではなくて、 (財)文京アカデミーが開催するアカデミア講座(年間100講座位)の中から、個人個人で選択した講座を受講して、 20単位以上を履修しなければならないものです。例えば「仏像鑑賞入門」という講座に6回出席すると6単位履修となり、 その講座についてのレポートを提出すると更に1単位増え、7単位となります。 このようにして、自分で選択した講座の単位数が、20単位以上になりますと、専門課程を修了し、 晴れて卒業ということになります。 開設される講座は、地域、文学、歴史、芸術、くらし、語学、スポーツ等幅広いジャンルで構成され、例えば次のような講座です。
文京区ゆかりの人々、文京区の大名庭園、ギリシャ神話、女流作家の作品を読もう、世界の宗教の発祥と興隆、 印刷文化を学ぶ、遠州流生花、イタリア都市と音楽、五感を磨く、身近な宇宙の話、韓国語入門、はじめてのフランス語、 はじめての地唄舞、アロハフラダンス。
3.学んでみて
 文京いきいきアカデミア第1期生は、平成19年5月に入学した時は60名いましたが、第1学年の教養課程を修了した者は50名となり、 第2学年の専門課程を履修して卒業したのは41名となりました。これは同級生の年齢が60代から80代(最高齢88歳)の高齢者であり、 体調不良で途中脱落を余儀なくされた方が多かったことが主因です。
 第1学年の教養課程は全員同じ授業を受けましたが、第2学年では同級生がバラバラに履修することになるので、 3学期は同級生全員で履修する6日間の必修講座が開設されました。この講座は文京区内の博物館、 美術館32館のネットワークで作られている文京ミューズネット施設を訪問し、 現地において授業を受けるというものでした。第1年目の教養課程以来10か月振りに同級生一同が全員揃って 同じ授業を受けることになり、卒業を間近かに控えお互いの交友の輪が一段と深まりました。 卒業式において、財団法人文京アカデミー理事長から卒業生一人一人に卒業証書が手渡され、何十年振りの卒業式を実感し、 卒業生一同も感激いたしました。卒業式の最後の卒業生総代謝辞にもありましたように、 このような勉学の機会を与えられたことに感謝するとともに、今後も生涯学習を継続する決意を新たにいたしました。 当日は朝日新聞による取材の他、文京テレビの取材もあり、新聞掲載、テレビ放映ということになり、 第1期卒業生としての栄誉と責任を痛感しています。卒業式終了後の夜おこなわれました謝恩会では、 80歳代6名―男子のみで女性は不明、を含め1人1言づつ卒業の感想を述べ合い大いに青春の気を盛り上げ、 なかには第2期の入学も申し込み、引き続き勉強したいという声もあり盛会のうちにお開きとなりました。
4.終わりに
 まったく知らなかった人達が、いきいきアカデミア(高齢者大学)で文京区民の中に多くの知り合いを得て、 勉強しながら仲間作りもでき、心身ともに健康で過ごせる環境を得たということは大きな宝になると思います。 私自身は今後ともいきいきアカデミアのカリキュラムの企画、運営の一端を担い、 ともに勉強しながら文京区高齢者区民の生涯学習に微力ながらお役にたてればと思っています。 また、いきいきアカデミア卒業生のOB会を通じてOBの皆様とともに勉学と親交を深めてまいる所存です。
(C)NPO法人東京都中高年福祉推進員協会

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