ライフサポーターの集い
第24回内部講師研修会
講師 高伊 茂氏 
  第24回内部講師による研修会を台風23号通過の翌日の10月21日に 東京都労働相談情報センター大崎事務所で開催しました。
 今回の研修会は、「相続争いを防ぐために」というタイトルで 公正証書遺言の勧めと相続時精算課税の活用を中心に話をしました。 以下、研修会の概要をお伝えします。

1、「はじめに」
 贈与は契約ですが、相続は人の死亡に伴い誰が財産を引き継ぐかということです。
 贈与税は相続税の補完税であり、同じ相続税法に規定しています。 相続税の租税回避を防ぐため累進税率の仕組みは贈与税のほうがきつくなっており、 それぞれ基礎控除があるものの計算方法が違います。

2、「相続の基礎」
講演中の講師高伊茂氏  相続人の順位は第1順位から第3順位まであり、配偶者はいつでも相続人となります。 叔父(伯父)や叔母(伯母)が亡くなった場合に甥や姪は相続できる場合がありますが、 甥姪が死亡したときに叔父(伯父)や叔母(伯母)が相続人になることはありません。
 法定相続分は遺言で財産の配分を指定していないときに財産を分ける目安です。 法定相続分について、他の相続人との組み合わせによって 配偶者の相続分がどのようになるかを説明しました。
 普通養子と特別養子・嫡出子と非嫡出子・全血兄弟と半血兄弟の相続分、 欠格と排除の違いを案内しました。
 相続放棄をする場合は、相続開始を知ったときから3か月以内に放棄の申し出をする必要があります。 被相続人(亡くなった方)の財産が、借金のほうが多い可能性がある場合は限定承認をすることも良いでしょう。 何もしないで3か月をすぎると単純承認になります。形見分けを受け取ると単純承認したことになりますので、 被相続人の借金が多い場合は要注意です。 サラ金や消費者金融から形見分けぐらい受け取っておきなさいという悪魔のささやきを聞き入れてはいけません。
 遺留分は、遺族の財産承継の期待権や遺族の生活保障のために、 民法で守られている最小限の相続分です。 妻子や父母等にはありますが、兄弟姉妹にはありません。

3、「相続の事例」
 商売をしていた方が亡くなり、家業の手伝いをしていなかった子供が 住宅ローンや教育資金で困っており財産を要求したケース。
 遺産配分のため商売の元手でもあるお店を売却してお金を配分し、 家業を手伝っていた長男は家業の承継を諦め、サラリーマンになった事例を紹介しました。

4、「争いを防ぐために」
相続対策で思いつく順番を(1)相続税対策(2)納税資金対策(3)遺産配分としている方が多いですが、 真の相続対策は相続争いをしないための(3)遺産配分です。そのためには遺言が有効です。

5、「遺言の活用」
 主な遺言に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。 「自筆証書遺言」はペンと紙があれば作成できる手軽さや費用が殆どかからない長所があります。 しかし短所がいっぱいあります。紛失・偽造変造・火災盗難の恐れ、 また、要件不備による無効や内容不明による遺産争いも起こります。
 「自筆証書遺言」があったのに遺産相続争いが起きていることは、 信じられないほど多いのが現実です。 それは遺産配分の指定を不明瞭に書いてあったり、遺留分を守っていないケースが殆どです。 「公正証書遺言」は裁判官や検事等を経験した方から法務大臣に任命された公証人が作成しますので、 要件不備や内容不明も起こりません。
 遺言書の原本が公証役場に保管されますので、紛失・偽造変造・火災盗難の恐れもありません。 多少費用はかかりますが、遺族の皆さんが貴重な時間を費やしたり、 嫌な思いをすることにならないように「公正証書遺言」をお勧めします。
 遺言には沢山の効用が有ります。 「争族」や「争続」とならないように、是非、遺言を作成してください。

6、「新しい相続対策は」
 昨年「相続時精算課税制度」ができました。 これは弁護士さんが相続争いの防止に使えるというものです。

7、「相続時精算課税制度とは」
お金持ちといわれる高齢者から、お金の必要な20歳以上の推定相続人に財産を移転させ、 もって景気浮揚を図ろうという願いも込めて「相続時精算課税制度」が昨年誕生しました。 ページの関係で詳細は割愛しますが、生前贈与により相続争いを防ぐことの可能な手法です。 ある税理士さんはこの制度を「生前相続」だと言ってもいます。 特に、住宅ローンや教育資金に苦しんでいる30歳代から50歳代の子供からは感謝される制度です。
 「相続時精算課税制度」と「遺留分放棄」そして「遺言作成」により、「遺産争い」を防ぐ事を提唱します。 「血は水よりも濃い」ですが、「兄弟は他人の始まり」とならないことを祈ります。

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