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| 上原 晟逸 | |
| 1.年金改革は、自由と民主主義の視点から行われるべきである | |
| 年金制度改革が叫ばれて久しいが、議論は枝葉末節の域を出ていない。 年金制度を巡る議論の中で欠如している第1点は、一元化されていない各種年金制度上の不平等な格差の存在、 民より官が優位の年金制度の存在、『自由と民主主義』の自由というものを履き違えた400万にものぼる未納や滞納者の存在、 2極化現象に見られる支給格差の拡大、改革に対する不信感、などが挙げられる。従って今回の年金制度の改革に当たっては、 国家百年の計の一環として、また日本型民主主義の成長発展のために大いなる国民的論争を行った上で行われるべきであると考える。 | |
| 2.年金制度の改革で日本経済は活性化され、 将来展望が見え、安心感は高まるか | |
| 第2点は、成長と財源を含む日本の経済制度と年金制度との関係の論点が不十分で、国民的議論になっていないことである。 こういう改革を行うと経済は活性化し、こういう改革では日本の経済を損なうという改革の内容が伝わってきていない。 『少子高齢化』という社会現象下では、現行の年金制度は瓦解してしまうという悲観論であり、 将来展望が見えない議論展開となっている。しかも官の年金財源は、民の日夜違わず働いて、 合理化という身を切って日本経済を支えているところから捻出されているのに、民より官の年金制度が優位にあるあるというのは どう考えてもおかしいと言わざるを得ない。年金制度は、経済制度と切っても切り離せないものであることを忘れてはならない。 また国民に将来にわたって安心感を与える年金制度改革でなければならない。 | |
| 3.年金制度の改革は、民主主義と民主的手段を経て 且つ国民投票で意思の確認を | |
| 第3点は、改革の手順が国民の前に明らかになっていないことである。議会で多数決の原理で強行してはならない。 また官僚依存による改革素案なるものがまかり通ってはならない。 また年金審議会も民主的に選出された委員会で構成されなければならない。もし改革案なるものがあるとしたら、3案程度を国民に示し、 国民投票で国民の意思を把握することのステップを考慮すべきと考える。 | |
| 4.給付と負担は、労働と経済との関係を明確化し、 人間として生活するのに相応しい最低限の保障制度の確立を | |
| 第4点は、給付の水準と負担の不公平の問題の解決への道筋が依然として不透明である点である。 右肩上がりの経済成長も永遠ではなく、また人口減少は、年金制度にも影響を与える。 経済成長の鈍化、人口の減少、技術革新、国際競争力の浮沈などで年金の給付と負担を巡る不確定要素は多様化している。 給付に関する基本的哲学としては、給付はあくまでも積年の労働への対価を基礎とし、 且つ定年後の余生を人間として相応しい生活を送れる社会的セーフテイ・ネットワークを設定し、 且つ経済変動をも加味したものを基本とすべきである。年金制度をもっと分かりやすくするための制度化を目標に、 また個人が年金と政治経済社会の一構成員としての役割を増すためにも、 そして労働の対価と給付へのより自覚を促すための政策の一環として、年金制度の中の一部に、 負担していく保険料の一定額を自主的に運用できる個人勘定口座を設けるべきと考える。 | |